そいつもあまり日本人だけで固まりたくないと言うタイプのやつだった。そしてそいつにはアメリカでのお金の使い方や効率よい旅行の仕方などいろいろ教わった。何よりやつの面白い所は、1.アメリカが大嫌いだと言う事。2.アメリカにはバイアグラを買いに来たと言う事。(当時はまだ非合法だったし、日本で高値で売れた)3.ブラジルから戻ってきたらしいと言う事。
で、そいつと話し合った結果、他に2人の人間を捕まえて4人で車を借りてグランドキャニオンに行く事になった。まずすぐ近くにいたオーストリア人の男の子を誘ったが、丁寧に断りを受け、次の対策を考えた俺たちはL.Aの空港へ向かう事にした。L.A.についた旅行客を片っ端から誘おうと言う物だった。
とりあず日本人の旅行客が多そうなロビーで、いろんな日本人にグランドキャリオンツアーを持ちかけたが残念ながらダメだった。
夕方まで粘ったが残念ながらツアーはお釈迦になってしまった。
その後俺たちはL.A.のダウンタウンに向かった。L.A.のダウンタウンは太陽が落ちたら出歩くのは危険な地域。日暮れに間に合うようにダウンタウンについた俺たちはせっかくなのでダウンタウンの最も危険といわれている地域、7th Street沿いにあるホテルに泊まる事にした。
食事をして軽く酒を飲んだら一緒にいた例の日本人のやつはすぐに眠ってしまったが、まだ時差ぼけの俺は夜中の3時には目を覚ましてしまった。
さっそく窓の外を覗いて見た。俺たちは4階にいたが、窓の外を見るとその4階も安全とはいえないのではないかと思われてきた。
ホテルの前には数十人のメキシカンギャングが通りに沿って一列に座っている。そしてホテルのすぐ隣は大きな交差点であったが、その交差点の向こうには数十人の黒人ギャングがたむろしていた。大きなバンの車が数十台やってきて中からやばそうなやつらが5,6人出てきて、割れたビンを道路に投げて大声をあげたりして暴れていた。
もしおれがやつらに見つかったら、俺のホテルも襲撃されそうな勢いだった。
次の日、俺は例の日本人のやつに昨夜の話をし、やつは苦笑いをしていた。
ここで俺とそいつは別れた。俺はやつの勧めにしたがい、GreayHoundというアメリカの長距離バスで1週間乗り放題のチケットを買う事にし、まずはHollyWoodへ向かう事にした。やつはバイアグラを求めてもう少しL.A.に滞在すると言う。
やつとは変に気の合う仲だったが、なぜかお互いに住所も電話番号も交換しなかった。だが、もし地球のどこかでまたやつあったら同じような旅をするだろう。
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