<きっかけ>
めずらしく、きっかけとか書いてみる。
転職をした。そのついでについてきたのが、社会人最強の有給消化。2006年5月はまるごと有給消化だったのだ。GWでも夏休みでもなく忽然と1週間以上休める機会と言うのもそうないものなので、なかなか行けそうもない土地へ旅行しようと思った。しかも、一人で。嫁さんは快諾してくれて留守番。
1日目・出港
<ヘドロ東京湾>
竹芝桟橋フェリー乗り場
小笠原まではおがさわら丸というフェリーで竹芝桟橋から丸一日をかけて、小笠原は父島へ向かう。
久しぶりの一人旅に気持ちは高まる。そう、アメリカ・メキシコの旅行を思い出すのだ。今回も気持ちのどこかにそれを意識はしてたが、ほんとにそうなるとはこの時全然思ってなかったし、フェリーに乗ったらそういう意識は忘れてしまってた。
おがさわら丸 略しておが丸
9:30にフェリーは走り出すが、東京湾内は恐らく交通ルールがあるのだろうゆっくりと進むのだが、この東京湾、ひどく汚い。フェリーが通った後はヘドロが湧いてくるのだ・・・ああ、こんなにも我々は東京湾を汚してたのかと思うと反省する。しかも、臭いし。「東京湾が汚いのは当たり前じゃん」と思ったあなた、一度フェリーなどの大型船に乗ってみれば、わかります。
お台場
こうなると、お台場とかみても東京湾を犠牲にして作られた虚像でしか見えない

東京湾・相模湾と実に多くの船がいる。タンカー・漁船・貨物船などなど・・・
そう、昔よくサーフィンしていた茅ヶ崎や辻堂の海の先にはこんな船が多数、往来してたんですね。なんか複雑な心境。
<フェリーにて>
酒と音楽!
僕のフェリーでの過ごし方・・・それは、酒に飲まれる。
あらかじめ持参したワインとレゲエでひたすら酔っ払うのだが、せっかくなのでいろんな人と話をしてみるのだ。といっても、話しかけられる事も多いのだが。
まず、2等室で隣だった北海道から来たという男の人。名前は忘れたので、道内君と呼ぶことにする。ビザなし地球人も札幌出身と言うことで話が合う。
道内君と話してわかったのだが、僕らは同じペンションに予約を入れていた。さっそく道内君を誘ってワインを飲むのだが、実は道内君は船酔いする人だった・・・と、2杯目でさっそくトイレへ駆け込みなかなか戻ってこない・・・飲む前に船酔いする人だと言ってくれればよいのに・・・
とりあえず甲板のテーブルでレゲエを聴きながらワインをひたすら飲む。気づくと眠ってしまってたので、2等室に戻り睡眠・・・隣で道内君は船酔い、僕は酒酔い。
気づくともう夜。あっというまに夕食の時間だ。ランチは持参していたのだがさすがに夕食は持参していないので道内君とフェリー内の食堂へ。
意外と高くない。カレーライス700円。サラダ300円。しかもまずくない。ちゃんと作ってるみたい。
食後はやはりお酒。実はワインはランチ用と夕食用と2本持参したのだ。
またも甲板で知り合った人と音楽を聴きながら夜空を見ながら酒を交わす。
彼の名前はさとし君。大阪から来た彼はこのまま父島で数ヶ月すごすらしい。といっても、宿もないので父島で住み込みのバイトしながららしい。
さとし君はまだ海外旅行をしたことがないと言うので自慢のアメリカ・メキシコの話やそのほかもろもろ持っている海外旅行情報を披露。
2日目・島に到着
<翌日のフェリー>

この日のお昼には父島に到着するので、もう海はかなり綺麗だし遠くには小笠原諸島の北の方の島々がうっすら見え始めいる。
天気もよいので甲板で日光浴・・・と、さっそく南の海が歓迎してくれる。数頭のイルカだ。フェリーからは距離があるが、ジャンプしたりして遊んでいる。
たまたますぐそばに座っていた太ったおばちゃんに、「ほら、イルカが泳いでたよ!」と知らせてあげた。おばちゃんの名前はるみ子さん。もともと小笠原に住んでた人で今回、お墓参りに娘のしほちゃんと来たとの事。
るみ子さんたちと話が合い、島に着いたらいろいろ案内してあげるとの事。
真ん中の白い部分がジョンビーチ
父島。山頂からイルカ・くじらを電子望遠鏡でみつける
右の方が唯一の港、二見港
<上陸>
るみ子さんの電話番号を教えてもらい、後日連絡を取ることに。
いざ下船し、道内君とペンションのお迎え所に。ペンション・アクアの宿泊客は、僕と道内君と一人のおじさん。お互いに自己紹介をしてみると、なんとそのおじさんも北海道から来たらしい。こんな南の島のひとつのペンションに3人も北海道の人がいることにみんなで爆笑。
料理も美味しく海のすぐそば、ペンション・アクア。
ペンションでは道内君と僕が隣の部屋だった。船でも隣どおしだったのに、ペンションでも。
この時期、人がいないので4人の相部屋を一人で独占。観光シーズンじゃない旅行と言うのはほんと嬉しい。
荷物を置いてさっそくランチ+近所へ探検。
<近所をぶらぶらと>
島のメインストリート。ペンションの前の通り。
ふと気づいたのだが、この島は音がない。まあ、観光シーズンじゃないってのもあるんだろうけど、東京で聞く無意識のうちの入ってきている音がいっさいない。
あるのは、風に揺れる木々の音と波の音だ。そして人もいないし車も走っていない。コンビにもないし、ガソリンスタンドは島にひとつ。ほんとに何もない島だ。
この何もなさに軽く快感を覚える。
さて、ペンションでると、すぐ隣の隣にまた別のペンション・・・ん?と、その別のペンション(キャベツビーチ)の入り口にいるのは、るみ子さんとしほちゃん。
「おお!」とお互いに叫ぶ。まさかこんなとなりのペンションに宿泊してたとはお互いに驚きだ。
またペンションから海までは歩いて1分以内。ペンションの前の道を渡るとすぐ海だから。

大村海岸。ウミガメも産卵に来る美しいビーチだが、たまにサメも来る。グァムのように遠浅ではなく、すぐに足がつかない深さに達するがシュノーケリングするには楽しい場所。左が二見港、乗ってきたおが丸が停泊中。
メインストリートを港の方へ向かう。ペンションから港までは歩いて10分もないくらい。と、港が見えてきたところで、後ろから「りょうさん!」と呼ぶ声が。振り向くと、大阪のさとし君。どうやらまだ仕事も宿も見つけていないらしく、とりあえず、二人でランチすることに。
入ったのはボニータというカフェレストラン。夜はバーになるらしい。店員の女の子はこの島に住んで半年ということで、いろいろ島の事について教わる。と、一枚のメニューが目に入ってきた・・・
ウ、ウミガメさんが・・・
そう、島ではウミガメを食するのだ。かなり複雑な気持ち・・・
と、そこへまた別のお客さんが僕らの座っていたカウンターの隣に。ふとみると、道内君じゃないか!「おお、またこんなところで会うなんて!」と、道内君とさとし君をそれぞれ紹介。
二人を後にしてぼくは食後にさらに近所をうろつくことに。島にはいたるところに洞窟があるといっても、全て戦時中のものでほとんどが入れないように柵がしてあるが山の中にあるものは柵がないのではいれてしまう・・・もちろん、怖くては入れないが。
港の方から見た大村海岸
<大神山公園>
港からも中心街からもすぐそばにある山の上の公園。山頂からの眺めは最高だ。
ま、登るのはちょっとつらいかも。距離は短いが急な階段を何段も登るので。
右奥は養殖場
二見港の奥。クルーザーがいっぱい停泊している
おが丸

大神山公園へ登る途中にはいくつかの動物をみかけることができる。
せっかくなので父島の主な動物を紹介すると、
- ヤギ・・・山の近くに行けば必ずいる。野生のヤギ。
- 毒ヒキカエル・・・毒をもったカエル。道路のあっちこっちで車に踏まれてスライスされたのをみかけるし、大神山公園を登る途中でもみかける。
- ヤドカリ・・・名前は忘れたが天然記念物らしい。こいつも山や海にいる。
- サソリ・・・レアだが、いるらしい。見かけなかった。
- マイマイ・・・海岸でたまにみかける。なかなか愛嬌がある。
- ウミガメ・・・た、たべれる。。。。。海上ではしばしば泳いでたり、浮いて休んでいるところを見かける
- イルカ・・・ハシナガイルカ、ミナミバンドウイルカがいる。ミナミバンドウイルカは人間と遊んでくれる
- くじら・・・なぜかくじらは食べないんだね。ザトウクジラとマッコウクジラ。
父島には蛇などの凶悪な生物がいないため、カエルやマイマイ、ヤギが繁殖しているようだ。
こいつが天然記念物。かなりシャイ。大きさはルービックキューブくらい。
<小笠原水産センター>
無料の小さな水族館がある。ほんとに小さい。
飼われているウミガメ君
ちなみに、島内ではるみ子さん親子、道内君、さとし君に一日に何度もすれ違う。ま、道内君は隣の部屋だからってのもあるけど、るみ子さん親子は何度会ったことか。
午後はほとんどシュノーケリング。ペンション向いのビーチは最高だ。この日このビーチでシュノーケリングしてたのは僕とイラン人のおじさん、ホセイニさん。小泉孝太郎の英語教師をしていたという、英語教師兼クラシック音楽作曲家のホセイニさんは、既に4回目の小笠原だとか。同じ大田区に住む者同士、話が合い東京でも会うことを約束し、この日はペンションへ帰る。
この日の夜は、ペンションで酒盛り。酒は島のパッションフルーツリキュール。なかなかおいしい。
3日目・ドルフィンスイムツアーへ
今回の旅のメインイベント、ドルフィンスイムツアーへ。利用したのは父島タクシーのドリームIII号。メインシーズンではないに関わらず10名以上の人たちがツアーに参加した。ここでさっそく一人知り合いとなる。名前は忘れたが大分から来たと言うサラリーマン。大分君と名づけよう。
大分君も一人で小笠原に。

ツアーは、イルカを探しながら小笠原諸島を船長さんが船で観光してくれると言うもの。来る時に遠くに見えた小笠原の北の方島々もツアーではまじかに見ることができる。


↑これらはまだ父島や周辺の小さい島

↑父島は北にある兄島の周辺の島々
スキューバのスポット?
父島には野生のヤギがたくさん生息していると前述したが、他の無人島にもヤギがいる。この写真はある無人島の最後の生き残りのヤギ。
左にいる白いのが最後の生き残りのヤギ
この無人島では以前ヤギ狩りが行われたのだが、一匹だけどうしても捕まらないヤギがいたらしい。それがこのヤギ。当時は子ヤギだったらしいが今では大人に成長しました。ある意味とても優秀なヤギ。
船はさらに北へ進む
小笠原のウミガメ

またもウミガメ。こうやって顔を上げたあとは必ず潜ってしまう

小笠原は他の島々周辺もサンゴの浅瀬がところどころに点在し、水深が5メートル前後なら船からも海底が見える美しさ。
<ドルフィンスイム>
と、島々を海から観光途中、ついにイルカ達が発見された。海面上には5頭くらいの背びれが見え隠れする。
サメじゃないよ
早々にフィンとゴーグルを装着し泳ぐ準備。この季節(5月)は水着で泳ぐことができる。若干寒そうに見えるが、泳ぐと水の中の方が暖かく外気の海の風の方が体を冷やす。
船長さんがイルカの群れの近くに船を寄せる。
そして、船長さんの「Go!」の合図で海にそっと入る。
泳ぐのは慣れているのですかさず潜水。
すると、目の前にイルカの群れが!そして、「キュン、キュン」というイルカのしゃべり声
背びれの数から5頭前後かと思ったが、実は海面で背びれを出して泳いでいるのはほんの一部で、海の中には20頭近くが泳いでいた。
変な話、イルカと泳ぐのは僕にはとても危険だった。なぜなら、イルカを夢中に追いかけすぎて(潜りすぎて)、鼓膜が痛くなってしまうからだ。
気づくと鼓膜が痛いし、5,6メートルくらい潜ってて帰りの酸素を忘れてた。
イルカ自体の泳ぎはとても速く、海の中での彼らはあまりにも自然だ。極端に言うとイルカが海を移動しているのではなく、海がイルカを運んでいるかのようだ。我々の存在はあまりにもこの場に奇異だと、思わされる。
酸素をとりに海面に浮上し再度潜ったところで、既に数十メートル先にイルカは行ってしまっている。

あっというまに100メートルは離された。船長さんの指示で船に戻り、再度船を寄せる。そして、またもダイブ。
今度は自分の真下にイルカが泳いでいた。またも夢中で潜水し、気づくと鼓膜の痛みと酸素不足。そう、僕は耳抜きというやつのやり方を知らないのだ・・・
またもあっという間に離される。
僕らが泳いだところの水深はだいたい10メートル以上の所。海底は潜水すればギリギリ見える感じだが、水の透明度はすごい。
結局、今回会えたイルカはハシナガイルカで爆睡中で全く相手にしてもらえなかったが、海の中でイルカと同じ空間で泳ぐと言うのは何とも言えない感覚だった。
ハシナガイルカ・・・夜行性で昼間は潮の流れも穏やかな湾などで休んでいる。イルカは右・左脳づつ泳ぎながら睡眠する。またハシナガイルカはあまり人間とは遊んでくれないタイプのイルカ。イルカと遊んだり水族館などのイルカショーに出てくるのはミナミバンドイルカ。
<兄島海中公園>
ドルフィンスイムを終えたころにはちょうどランチタイムに差し掛かっていた。この日のランチは兄島海中公園。兄島は父島のすぐ北側にあるたぶん小笠原で三番目に大きな島(無人島)。父島と兄島の間は非常に潮の流れが速く、泳ぐのは危険なのだが、兄島側の小さな湾内は潮の流れもなく水深も3,4メートルで非常に透明度が高い。また、サンゴ礁や色とろどりの魚が泳ぐ海中公園になっている。
ランチはこの湾のブイに船をつなぎとめて船上で済ませる。ランチ後は自由にこの湾内を泳ぐことができる。

海の中にはウミヘビや熱帯魚の群れ、イソギンチャクなどいろんな海洋生物を見ることができるし、食パン(スタッフの方が用意してくれている)を投げて魚を集めることができる。ここでのシュノーケリングは最高だ。
また、船(クルーザー)の二階から飛込みして遊んでよいとのことなので、がんがん飛び込んで遊んだりもできる。もちろん、水深は3,4メートルなので危険はない。
<クジラ>
誰も期待していなかったし、この時期のツアーでは組み込まれないのがホエールウォッチング。
ランチを終えて船はイルカを探しつつ父島の南へ向かう。次の目的地は小笠原でもっとも美しいと言われており固有種がいる南島。と、父島の沖を走行中突然船が止まる。そして進行方向を西(沖)へ。船長さんの話だと見晴台からの連絡で沖合い2kmのところにクジラ発見との事。全く期待していなかっただけに、みんなそれだけで歓声。
クジラには100メートル以内に近づいてはいけないし、クジラの進行方向に船を出してはいけないルールになっている。

だいたいこの距離が限界。
クジラはザトウクジラ。ザトウクジラは4月末には小笠原を去り北極の方へ移動してしまう。そしてまた、冬になると小笠原に戻ってくるクジラだ。今回いたのは親子のザトウクジラ。結論から言うとザトウクジラが行うアクションの全てを見ることができた。
ジャンプ(ブリーチング)、手ひれの上げる、潮吹き、尾びれをあげるなどなど。
ジャンプ直後。ジャンプを撮影するのは難しい。
向こうに見える船は貨物船



尾びれを上げたところ
この直後、クジラは消えてしまった。
ほぼ諦めていたころ、僕と大分君は船の先頭でクジラが消えたあたりでクジラを探してた。と、すると、船の2,3メートル隣に何やら大きな黒い物体が浮いてくる・・・そう、クジラだった。突然の出来事で思わず後ずさり写真に取ることができなかった。でかい、あまりにもでかい。黒い家が浮いてきたかのようだ。
実際の大きさだが15人くらい乗りのクルーザーよりも大きいらしい。


クジラも泳ぐのは速い。あっという間にこの距離↑。
クジラのトップシーズンでもこういうことはそうないことらしい。とてもラッキーだった。
ザトウクジラはマッコウクジラと違ってプランクトンを食べて生きている。マッコウクジラは歯クジラでイカなどを食べる。ダイオウイカとマッコウクジラの戦いは有名だ。
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